バイト代が計算より多い

過払いされた場合はどうする?

バイト代は、自身の計算よりも金額が少ないというトラブルが起こるだけでなく、時には自信が考えていた金額よりも多いという過払いの状況が発生することもあります。
バイト代を毎月正確に計算している人なら、多く振り込まれた時には速やかに発見できるでしょう。
しかし、忙しかったり大丈夫だろうと思って計算しないと、あとから思いがけないトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。

バイト代の過払いは、労働者が「不当に利益を得た」とみなされてしまいます。
バイト代というのは自身の労働に対する対価として支払われるものですから、多く振り込まれたという事は、労働していないのに利益を得たと考えられるのです。
そして会社にとっては、それが原因で不利益を被ることになり、不当利益返還請求権の申し立てをすることができます。

もしもバイト代を多く振り込まれたことに気づいても、言われなければ返還しなくて良いと思っている人は要注意です。
使ってしまって返還できないと言っても、法律では通用しません。
過払いされた金額を全額返還する義務が労働者には発生するので、全額を返還するまではバイト先に借金をしているような状況が生まれてしまいます。

過払いされたバイト代は、自身で気づいたら速やかに職場へ報告するのが賢明です。
遅かれ早かれ返還しなければいけませんし、会社が全く気付かないという事は考えにくいものです。
ちなみに、給料やバイト代の過払いに対しては、過払いの返還請求権は10年間認められています。
バイト代の未払い請求は2年で時効を迎えますが、それと比較すると過払い分の返還請求はバイトを辞めた後でもバイト先から請求される可能性は大いにあるのです。

バイト代の過払いは、会社のミスによって起こるケースが大半です。
しかし、多くもらったことに気づいていたにも関わらず故意に黙っていた場合には、悪意があるとみなされ過払い分の請求金額に5%の利子を上乗せされてしまう可能性もあります。
さらに悪徳だとみなされると、会社から損害賠償請求を受けることも考えられます。

給与明細はきちんと確認することが大切

気づかないうちにバイト代を過払いされていて、社会人になって忘れたころに過払いだったから返還しろと言われても、決して良い気はしないでしょう。
それに職場がすぐに気づいて返還しろと言ってきても、すでにバイト代を使い切ってしまっていれば返還したくてもできない状況に追い込まれてしまいます。
そうした悲劇を回避するためできることは、バイト代を受け取ったら、必ず毎月金額をチェックすることです。
そうすることで、バイト代が多すぎる時でも少なすぎる時にも速やかに気づけるでしょう。
職場に迅速に相談をして、適切な対応をしてもらうことができます。

また、バイト代の過払いによって親の扶養から外れてしまうリスクもあります。
その場合、返還方法としてバイト代から返還分を差し引いてもらうことも可能です。